呪いのマーケットプレイス – 企画書

第12回ぷちコン

1. 目的

ぷちコンというコンテストの本来の目的として「UE4の学習」というものがあります。今後、開発中の新作ゲームで活かせるものを学ぶため、以下の要素に注目しました。

  1. Widgetによる複雑な2D画面の制御
  2. 海外展開のためのローカライズ機能の確認
  3. HTML5を用いたWebブラウザゲーム制作

1.1. Widgetによる複雑な2D画面の制御

UE4でUI(2D画面)を制作する際に、Widgetと呼ばれるUI制御システムを使いこなせなければ、制作でかなり苦労することになります。特にスマホゲーでは様々な画面の比率でもレイアウトが崩れないように、正しく設定する必要があります。

また、UIの比重が多い仕組みにおいて、ロジックをどこに持たせるのかという棲み分けを確認する目的がありました。

1.2. 海外展開のためのローカライズ機能の確認

開発中の新作ゲームも可能な限りの言語に対応して配信したいと考えています。そのためにUE4標準のローカライズ機能の使い勝手を確認する目的がありました。

1.3. HTML5を用いたWebブラウザゲーム制作

HTML5のゲームがどれだけのことが可能なのか、性能の問題やデータサイズの問題があるとしても、プラットフォームとしてどこまでの表現が可能なのかを調査する目的がありました。

2. 「呪いのマーケットプレイス」を題材にした理由

今回のぷちコンのテーマが「れい」であり、「霊」以外にも「令」や「0」など色々ありますが、多くの人にウケやすいのはホラーなので「霊」一択でした。「令」は国内だけなので除外です。

ホラーは体験することで一番魅力が伝わるという考えから、ぷちコンでの一般的な作品提出の方法である、「ゲームのプレイ動画をYoutubeに投稿する」のではなく、「全員が体験できるWebブラウザゲーム」にしました。

もう一つホラーで大事なのは身近であることだと考え、UE4ぷちコンで身近なものとしてUE4マーケットプレイスをパロディすることにしました。このサイトはWidgetの勉強には丁度いい情報量であることと、日本語以外に英語と韓国語と中国語がもともと存在しているので世界に向けて作りやすいこと。そしてネタとして取り上げられる可能性が高いことなどが理由として挙げられます。

3. ゲーム中の仕掛け(こだわりポイント)

3.1. 情報は最低限

P.T.のように、ホラーゲームは得体が知れない方が怖い(と思う)ので、タイトルやゲーム中の説明は極力省きました。プレイヤーに親切であることは安心させることになると考えました。

3.2. ラストシーン以外は動かさない

ラストシーンで「おっ」と驚いてもらうためには、印象の変化が必要です。序盤は往年のFlashゲームのように、こちらの入力に対して演出が再生されるというクリックゲームにします。時間制限もないのでゲームの進行権利はユーザーが握っている状態です。

ラストシーンはユーザーの入力を受け付けなくなり、リアルタイムでゲームが進行します。これによって進行権利がユーザーの手を離れ、3Dの映像を受け入れるしか無くなることで印象が強くなるという狙いです。またこのシーンがパロディなのもネタとして必要でした。

3.3. ラストの謎はゆっくり考える余裕がない

10回クリックするまでは、プレイヤーはじっくり謎を解く時間が与えられるが、最後の謎はラストシーンの制限時間の中で解く必要があります。

これはリアル脱出ゲームを参考にしており、最後の謎は制限時間ギリギリの極限状態で解くからこそ熱中できるのがリアル脱出ゲームのいいところだと思っています。制限時間のある状況での謎解きというのは今後も試してみたい題材です。