UE4 極め本とは
「Unreal Engine 4で極めるゲーム開発」(通称「極め本」)は2015年にボーンデジタル社から発売されたUnreal Engine 4の入門書です。
著者の湊 和久さんは現役のゲーム開発者の方で、本書以外でも「ゲームエンジン・アーキテクチャ」という鈍器のような分厚さの専門書の翻訳もされている著名な方です。
当時はUE4の書籍が少なく、個人でUE4を学ぶにはハードルが高い状況でした
最高のUE4入門書
「極め本」は間違いなく日本での最高のUE4入門書です。人によって最高の基準は違いますが、個人的にはUE4に限らずゲームエンジンに関する参考書の中にもここまで丁寧かつ一通り網羅されている書籍は少ないように思います。
また、本書はEpic Games Japan公認の解説書ですので安心して取り組むことができます。
今から始めるには問題が?
「UE4を勉強したいんだけど何から始めればいい?」という人には必ず本書をお勧めしているのですが、中には途中で挫折してしまった人もいるようで、その理由としてこんな声を聞きました。
本格的過ぎてモチベが続かない?
極め本はUE4の入門書という位置付けですが、その範囲は広く、合計29章+αの大ボリュームです。
手を動かしながら読むハンズオン形式とはいえ、すべての内容を一回で理解して記憶するのには無理があります。高いモチベで始めても、「理解しなきゃ」「覚えなきゃ」と意気込んでしまうと、途中でしんどくなってしまうのかもしれません。
情報が古い?
本書が執筆された頃のエンジンのバージョンは4.7.6で、2020年6月現在の4.25.1とは所々違うところがあります。このことについて、著者の湊さんは本書の古いバージョンをダウンロードして学習することを勧められています。
とはいえ、発売から4年以上経過して最新版と差が大きくなってきたことと、やはり最新版で勉強したいというモチベを阻害してしまうのはもったいないです。
最後まで終わった後に何をしていいかわからない?
本書はあくまでUE4の機能をひろく触って、サンプルゲームを一つ作るという流れで構成されています。本書を最後まで読んだからといって、UE4の全てを理解して何でも作れるようになるというわけではありません。
私も以前ゲーム会社に勤めていましたが、ゲームを一から完成させるというのは正直メチャクチャ大変だと思います。インディーズであったり規模の小さいミニゲームであっても最後まで完成させた方々は本当に凄いんです!
ただ、初めて学ぶ人の中には、「極め本」を終えればUE4を極めて思い通りゲームが作れるようになると期待している方もいると思います。(本のタイトルがそうですからね!)
それでも「極め本」で学んでほしい
それでも私がこの本をオススメするのは、これらの懸念を差し引いても本書がUE4をこれから学ぶ上で最高の入門書だからです。
そのために先ほどの懸念の解決方法を考えてみました。
モチベが続かない問題の解決方法
初めて学ぶ場合、情報の優先度をつけられずに隅から隅まで理解しようとしてしまい、集中力が続きません。そんな人のために、このブログで各章ごとの読み解き方を紹介します。
またこの本に限らず、モチベを維持する手段の一つに発信することが重要です。学習の経過をTwitterなどに載せることで、モチベにもなりますし、UE4の学習の記録を外に発信することでそれがそのまま自分の成長記録になります。
バージョンが古い問題の解決方法
ゲームエンジンの使い方を学ぶのであればやはり最新版で学びたいものです。
本書指定のバージョン以外での学習は推奨されていないのですが、最新版では動かせないということで本書を敬遠するくらいなら最新版で学べるようにしたいというのが私の思いです。
本ブログでは最新版で動かすための補足を記載します。UE4のバージョンが上がるたびに更新していく覚悟ですので、今後最新版で表記が異なる箇所を見つけたら是非教えてください!
最後まで終えたあとの学習について
これは本書の問題ではなく、入門書が終わった後の学び方についてを知る必要があります。
思いついたものをいくつか挙げてみると、
- ミニゲームを作ってコンテストに出す
- 公開されている完成プロジェクトを読み解く
- 好きなゲームのコピーを作る(オススメ!)
- 開発コミュニティ(もしくはチーム)に入る
などがあるかと思います。
要は目標を立てて動きましょうということなのですが、機会があれば別記事で紹介しようと思います!
まとめ
UE4を初めて学ぶ人にとって「極め本」は最高のUE4入門書であることに違いないのですが、発売から時間が経っていることと、入門書とはいえボリュームがかなり多いことから、途中で躓いている人が少なからずいるようです。
そういった方々に少しでも活用してもらうために、これから数回にわたって「極め本」の解説をしていきたいと思います。