呪いのマーケットプレイス – 反省編

第12回ぷちコン
わんちゃん
呪いのマーケットプレイスを制作した本当の目的と、失敗に終わった反省を吐露します!

この記事ではうまくいかなかった点ばかり書きますが、UE4Festで受賞できなかったことに対する自虐ネタではありませんw

自分達の作ったゲームを当初の目的と比べてどうだったのか冷静に振り返り、本目的であるLabyrinthのために活かすことを目的とします。

前半は偉そうに自論を語りますが、後半はすべてうまくいかなかったというオチを書きますので、前半で嫌気をささずに是非最後まで読んでみてください!

1. 前提

私たちそらまめゲームスは、Labyrinth(仮題)というスマホ向け3D謎解きゲームを開発中です。

この開発の手を止めて、今回、株式会社ヒストリア社主催の第12回UE4ぷちコンというゲームコンテストに出展しました。

結果は最終選考にノミネートしていただき、パシフィコ横浜で開催されたUE4Fest Eastに出展していただきました。

そこで参加者投票によるグランプリを決定するのですが、結果は落選したというのが経緯です。

2. 本当の目的

「本当の目的」というとなんか狙った感が出てカッコいいのでよく使っています。

呪いのマーケットプレイスの本当の目的は、ぷちコンという場を借りてそらまめゲームスとLabyrinthを宣伝するための実験です。

今後、Labyrinthという小規模インディーズゲームの開発&リリースを視野にいれた時に、ソフトのクオリティとは別軸で、「宣伝・広告」という大きな問題は避けられません。どんなにいいゲームを作っても、「宣伝・広告」の術を用意していなければ、「誰も知らない」もしくは「知る人ぞ知る」という結果になってしまいます。

ゲーム会社に勤めていた頃は、企業の力である程度の最低ラインはすでに超えていましたが、個人やインディーズで開発する場合には、大きな挑戦しがいのある課題となります。

これまでLabyrinthの開発は私の個人アカウントで開発状況をツイートしていたのを、「そらまめゲームス」という専用アカウントを作ろうということになり、ちょうど今回のぷちコンとタイミングが合ったので、ある実験をしてみることにしました。

それが、「フォロワー0の状態から、ぷちコン出場をきっかけにLabyrinthを知ってもらい、そらまめゲームスを支援していただく」ということです。

3. 計画

「ぷちコン出場」というだけではあまりフォロワー数は増えません。また、「ぷちコン優勝」も正直そこまで増えません。(優勝経験者は語る)

ぷちコンの特性を理解した上で、自分たちの目的にあったコンテンツを考えました。

3.1. ぷちコンの特性

年2回のぷちコンでは、選考の仕方が異なります。

UE4Fest East(横浜)にあわせた開催では、関係者(ヒストリア&Epic)で最終選考数点に絞り、UE4Fest当日来場者投票で順位決めします。

UE4Fest West(京都)にあわせた開催では、会場規模の関係からか、事前に関係者のみで受賞作を決めてしまいます。

余談ですがUE4Fest East回でグランプリを目指すには、上記の特性を理解すれば結構上まで狙えます。

ジャンルはアーケードで短いプレイだがもう一回やりたくなるようにし、操作はシンプル、絵面はキャッチー or すごい or パロディウケ狙い、がセオリーかと思います。(優勝経験者は語る)

しかし今回の目標は優勝でありません。現に呪いのマーケットプレイスは明らかにUE4Fest来場者向けのゲームではありません。

「宣伝」という意味で、ぷちコンの特性を考えると以下の要素が見えてきました。

  • 業界関係者が見ている
    ゲーム業界>UE4関係者>ぷちコンに興味がある人 なので規模は大きくはないが
  • UE4インディーズ開発者が見ている & 参加している
  • UE4初心者(学習者)が見ている & 参加している

これらを踏まえると、

  • 多くの人に見てもらうことは正直見込めない
  • 開発者の同志として横の繋がりを作ることはできるかもしれない

ということであり、多くの人に見てもらうには「ぷちコン出場」だけでは「コミュニティが狭い」ということになります。

となると、挑戦すべきことは、

ぷちコンのコミュニティの外にどうやって広げられるか

ということになります。

4. 実際にやったこと

ぷちコンのコミュニティの外に知ってもらうために私が出した結論が以下のようなゲームです。

  • ブラウザ脱出ゲームという別のコミュニティ(クラスタ)に向けたゲームを作る
  • なかなかクリアできない(ある種不親切な)謎解きゲームにすることでTwitterで口コミ的に広がるようなものにする
  • TwitterでRTを見た人がそのままURLに飛んで遊べるようなゲームにする
  • ゲームをプレイすると、「作者の別作品を見る」というリンクから、Labyrinthの紹介ページに飛ぶことができ、脱出ゲーム好きの人にLabyrinthを訴求する

そしてぷちコンとの紐付けとして、ぷちコン関係者のRTによって呪いのマーケットプレイスが目に入った人の中に「脱出ゲーム好き・謎解きゲーム好き」の人がいるはず、そこから更に広がることを期待する。という構想を練っていました。

この方針を大前提として呪いのマーケットプレイスを制作しました。

この時点で、ぷちコンのグランプリどころかノミネートすら狙っていないことがわかっていただけたかと思います!

そして、ここまで偉そうに気持ちよく語ってきたことが結果的に大失敗したというのが、これ以降の記事内容です
あ~恥ずかしい!

5. 結果

結果としては、大失敗でした!w

バズったらいいなと思っていた開発者の淡い期待は無残に散ったこととなります。

呪いのマーケットプレイスを宣伝するツイートのアナリティクスは以下の通りです。

リツイート数8がなかなか心をえぐりますねw(リツイートしていただいた方ありがとうございます!)

とはいえ、最初に述べた通り、失敗したことを投げやりにしたり自虐ネタに使うつもりではなく、今回の結果を踏まえてきちんと振り返りをして、Labyrinthに繋げていきたいと思います。それが呪いのマーケットプレイスに対する本当の意味で供養なんや

6. 振り返り

まず前提として、「自分の考えた方法はうまくいく」「この考えならきっと見てもらえる」「広めてもらえる」といった浅はかな自信が拭いきれなかったことは否定できませんし、大きな反省点です。

ユーザーにとって興味がないものを、どうやってRTしてもらうかということに、もっともっと頭を使うべきでした。

今回のゲームで甘かったところを以下のように挙げてみました。

  • Twitterでの失敗
  • ゲームをするまでの障壁
  • ゲームを遊んでもRTをしたくならない
  • 謎解きクラスタに向けて訴求できてない
  • 海外に向けて訴求できてない

6.1. Twitterでの失敗

以下がゲーム宣伝時のツイートです。

「ぷちコン作品を作りました!」ではなく、ゲームに興味を持ってもらうための文章にしたつもりです。ハッシュタグの「拡散希望」に哀愁が漂ってますね!w

以下のような問題があると思いました。

6.1.1. 添付画像が魅力的でない

単なるマーケットプレイスの画像を貼っているだけにしかみえません。当時は、この画像で「単なるマーケットプレイスの画像じゃん。どういうこと?リンク先見てみるか」となると思っていたのですが、そんなに甘くはありませんでした。また、ゲーム中のラストの井戸のシーンはプレイした人にウケてもらうために隠していたのですが、遊んでもらわないことには意味がありません。

改善案としては、GIF動画を使って「マーケットプレイスなんだけど画面がバグっていておかしい」という絵と、「井戸のシーン(パロディ)が映る」という絵によって、UE4マーケットプレイスを知る人に対して「なんだこれ?」の印象をもっと強くする必要がありました。

6.1.2. ターゲットが明確でない

誰に向けたツイートなのかがふわふわしていました。このツイート内容はフォロワー0のユーザーがするツイートとしては強気な内容ですねw

きちんとぷちコン関係者向けに絞った文面があったかもしれません。

例)ぷちコン作品完成しました!10回クリックすると死んでしまうという呪われたマーケットプレイスの謎を解く謎解きゲームです!ブラウザで遊べますのでリンク先から是非遊んでみてください!

6.2. ゲームするまでの障壁

今回の企画で、UE4HTML5のブラウザゲームを作ることは必須条件です。しかしいざ作ってみると、「ローディングがめちゃくちゃ長い」「iOSだと遊べない」ということが判明しました。

これは今回の企画において致命的で、Twitterをスマホで見る人が多い中で、RTを見てすぐに遊べないというのはほぼ企画倒れ状態でした。

とはいえそれを今回の失敗の理由に決めつけるのは責任転嫁であり的外れなので更に分析を進めます!

あと少し逸れますが、ツイートする時刻も意識しています。

一番やっちゃダメなのが金曜の夜です。プレミアムフライデー(都市伝説)です。

それ以外の夜、ということになるのですが、スマホ向けであれば平日朝の通勤時間や昼休憩時も狙ってみる価値はありそうです。

今回はPCオンリーとなってしまったので月曜夜にツイートしました。(結果は惨敗)

6.3. ゲームを遊んでもRTをしたくならない

ゲーム自体があえて不親切な作りにしたことで、Twitter上で謎解きの情報をシェアしてもらうことを期待していましたが、その甘い期待は脆くも崩れ去りました。

また、謎解き好きのコアな人だけがクリアすることで、その人はこのゲームを気に入ってくれて、自分が解けたことの自慢も込みでRTしてくれるのではないかと考えました。

しかしそれがそのまま他の大半の人にとって、「よくわからないゲーム」「親切じゃないゲーム」となってしまいました。一旦その印象を持たれると、クリアした人が「よかったよ!」と言っても、「自分には合わなかった」となってしまいます。

今回のようなプレーしてくれた人が少ないゲームでこのようなやり方をしたのは間違っていました。

6.4. 謎解きクラスタに向けて訴求できてない

いくつか謎解きクラスタ向けの宣伝方法があるのは知っていたのですが、作りながらあることに気づいてしまいました。

「これUE4マーケットプレイスを知らない人&ブルーマンを知らない人にとってテーマが全く魅力的じゃないじゃん!」

やはりターゲットが明確でなかったのです

6.5. 海外に向けて訴求できてない

開発中のLabyrinthというゲームは、日本以外でもリリースしたいという夢があります。そのために、UE4のマーケットプレイスは4ヶ国語に対応しており、そもそもUE4自体がグローバルであることから、謎解きの内容を含めてゲーム自体を4ヶ国語で遊べるものを想定して作りました。

そしてゲーム終了時のリツイートボタンは、日本語と英語ではツイッターが開き、中国語版ではWeiboが、韓国語版ではFacebookのシェア機能が開くという徹底ぶり!

しかし、英語でゲームの宣伝をしたツイートはRT0件いいね0件、Weiboも反応なし。。。

果たして実際にプレーしていただいた海外の方はいたのでしょうか・・・?w

この分野はまったく知見がないので、今のところはどうしたらいいかわかりません・・・。

7. まとめ

いかがだったでしょうか!?

呪いのマーケットプレイスは当初の目的に対して失敗という結果に終わってしまいましたが、その結果を恥じて蓋をするのではなくて振り返ることで沢山得るものがありました!(ここは自分の傷を舐めているところです!)

ちなみにそらまめゲームスのTwitterアカウントのフォロワー数は、おかげさまで本日時点で260人ほどいらっしゃいますが、呪いのマーケットプレイスではなくてLabyrinthの紹介ツイートによるものですw

ということで恥を忍んで反省文を書いてみました!

呪いのマーケットプレイスは以下から遊ぶことができます!

呪いのマーケットプレイス

また、本目的であるLabyrinthも是非知ってください!w

Labyrinth